質問>ここに着くまでに、2回も車に消毒液の霧が噴霧されましたが…

はい。とても厳重に防疫対策はやっています。20万羽近くの鶏の飼育施設ですから、もしもの時は大変です。私たちも出勤してからまず消毒。その後、施設に入るまでに2回着替えますから…。

質問>カキ殻飼料「梅」をご利用いただいますね。

当農場では毎日20トンのエサが必要です。卵を出荷するには、直接インライン(コンベア)でGPセンター(選卵選別包装を行う施設)に運び込まれ、卵一個一個が厳しい審査を受けます。ヒビが入ってないかを確認して合格した卵が出荷されるんです。やはり卵殻の強度を確保するためにはカキ殻の使用は欠かせません。当社では飼料にカキ殻飼料の「梅」を2%ほど混ぜて与えています。

質問>自家配合の飼料づくりを続けておられますが、よい結果がでているようですね。

昔は品質に若干のムラがあったんですが、試行錯誤してやっと配合の落としどころがハッキリと見えてきたというところです。飼料の中では魚粉が最も信頼できるのですが、価格の高騰もあり、独自生産に取り組みました。生の魚を加工したり色々と試してみましたが、現在ではだし汁に使われた魚や昆布など20種類の原料をもとに独自の発酵飼料を作って与えています。

質問>カキ殻の使用はいつ頃からですか?

飼料作りに取り組みだしてからずっとですね。飼料設計の基本はカロリー・蛋白・ナトリウム・リンやカルシウム等ですが、配合飼料の中のカルシウムは、炭酸カルシウムを主体として配合されていると思います。カキ殻はカルシウムだけでなく、天然のミネラルがバランス良く含まれているところがいいですね。

質問>発酵させるとどう違うんですか?

私が発酵を取り入れた第一の目的は、発酵に使用する原材料の水分を調整することですが、実際に飼料として与えると鶏の整腸にいいんでしょうか卵や糞の臭いが消えていきます。臭いのない卵は女性に評判がいいですね。

質問>卵の品質差は何に由来しますか?

カキ殻を使うことで、しっかりとした卵殻になります。発酵を取り入れた自家配合により風味とか卵白の泡立ちがよくなります。起泡力について洋菓子店さんに聞くと、起泡力の高い卵でシフォンケーキ等を作ると、焼いた時にへこみがでなくて、膨らみがそのまま焼き上がるそうです。

質問>今後はどのような展開を?

飼料は多くを輸入に頼っています。その事への取組として、近隣の農家に農場の鶏糞で飼料米を育ててもらい、その飼料米を鶏に与えて育てるという生産に関する地域での循環です。農家にお願いしていくのはなかなか大変ですけどね。

質問>大変そうですが楽しそうにも見えますね。

私はいろいろとチャレンジします。決まった餌を買って決まったルートに卵を流すという同じ繰り返しをするよりは変化していくほうが楽しいですから。