環境改善に粉砕加工したカキ殻が使用されてれいます。

カキ殻は堆積したヘドロ等のpHを引き上げ、有害な硫化水素を吸着して無害化し、環境改善および生態系の修復に役立つことが確認されています。使用が始まったばかりですが、実績としては有明海の底質改善工事等にカキ殻が使用されました。



ヘドロにカキ殻を混ぜ込むと、硫化水素がゼロに…

質問>先生のご研究内容は?

解りやすく言えば川の河口から海の沿岸域にかけての水質・底質の改善、それによる生態系の修復ということになります。

質問>カキ殻は有効ですか?

ヘドロ内の硫化水素を取り除くための材料研究を行ってきました。その中で鉄鋼スラグや石炭灰造粒物は高い効果を示していますが、カキ殻の実験結果も優れたものでした。

質問>カキ殻の効果についてお教えください。

ヘドロにカキ殻を混入すると有毒成分である硫化水素を吸着し、反応して無毒化するという過程を繰り返します。同時に全体のpHが上がり生物が住みやすい環境へと移行していきます。

質問>実験の様子をお教え下さい。

当初のフラスコレベルの実験から、良い結果が得られたのでヘドロをタンクに入れた実験を行い、最終的には広島市の東を流れる瀬野川河口干潟のヘドロにカキ殻を混ぜ込んで実験を行いました。1年ほどしたときに上流で豪雨があり多量の土砂が流入して5〜10cmほど土が積もってしまい、実験継続ができなかったのですが、それまではずっと硫化水素はゼロの状態を保ち、あきらかに生物が増えていました。カニの巣穴や二枚貝等が増えてきており、我々の目的でもある生態系の修復に対する効果が確認できました。

質問>今後のカキ殻利用についてお考えを・・・。

覆砂という事業も行われていますが、砂はニュートラルな物質で、浄化作用などはありません。水質・底質の改善に加え、循環型社会の実現に向けてもスラグや石炭灰、そしてカキ殻の利用は有意義だと思います。しかし環境修復は数値だけでなく景観的要素も考えるべきだと思います。現在の川や海の水質はかなりキレイになってきており、底質が白くキレイであればとても美しい景観が得られます。それにはカキ殻の白さはうってつけです。沖縄の海の色は、サンゴの殻による底質の白さによるものですが、それはカキ殻と同じ炭酸カルシウムです。カキ殻で作った白い砂浜をどこかで造ってみたいと本気で思っています。行政主導が望ましいですね。一つでも例ができれば動きは加速するはずです。