Environmental improvement business

環境改善事業

カキ殻の特性を最大限に活かした環境改善
カキ殻は有害な硫化水素を吸着して無害化し、環境改善および生態系の修復に役立つことが確認されています。
水質改善、底質改善等でご利用いただいております。
室内試験
農学博士
広島大学名誉教授
流域圏環境再生センター所長
山本 民次
受賞:日本水産学会賞、日本水産海洋学会賞、日本海洋 学会岡田賞、日本沿岸域学会賞、土木学会環境 賞、文部科学大臣表彰、広島大学学長表彰、など 16 件。

カキ殻でヘドロの改善

海や河川には高度経済成長時代に溜まった有機物が底に分解されにくい状態で溜まっています。
この難分解性有機物はいわゆるヘドロと呼ばれ、 「硫化水素」を発生させます。
硫化水素は猛毒なので、 底質は生物が棲めない環境となり、漁獲量低下の大きな原因の一つと言われています。
熱風乾燥した牡蠣殻で硫化水素を低減し、生物の生息が大きく回復することができた事例をご紹介します。

室内試験

室内試験

硫化水素水を実験的に作り、これに約 1 ㎝角に粉砕して熱処理したカキ殻を添加し、硫化水素の減少から吸着量を分析した結果、カキ殻1gあたり約 12 ㎎の硫化水素を吸着することが分かった。(表1)
疑似現場試験

疑似現場試験

河口の入江からヘドロを採取し、同量のカキ殻を混ぜ、ろ過海水をかけ流した状態で河口域の現場に似た環境を再現して調査を行った。
その結果、ヘドロの硫化水素濃度は 45 日間の実験期間ゼロに抑えられ、泥の直上水中の溶存酸素濃度は高い状態が維持された。(表2)
現場実証試験

現場実証試験

10m四方の区画を 4 つ設け、その内2つは 10 ㎥および5㎥のカキ殻を約 20 ㎝まですき込み、カキ殻施用後 2か月ごとに調査を行った。
平均約 20 ㎎/L(最高 70 ㎎/L)あった底質中の硫化水素濃度がカキ殻施用 3 日後にゼロとなり、半年以上経過しても、ほぼゼロに維持している驚くべき結果となった。
疑似現場試験

実証結果

熱風乾燥したカキ殻製品の場合、ヘドロに対して1/3 程度すき込むと、約 5 年間効果が持続することが分かっています。
これにより、底生生物が大幅に増えることも実証済みです。

環境改善材としての特長

  • 硫化水素抑制効果

    熱処理したかき殻は、海、河川、池、入り江、お堀などで発生する硫化水素を抑制し、悪臭を消し、生物の生息環境を改善します。

  • 物理的効果

    かき殻は、水生植物や藻類(アマモなど)の根と良く絡むので、生育が良く、藻場造成などに適します。

  • 環境にやさしい pH 調整

    かき殻は、生石灰と比較して pH 上昇が緩やかであり、生物に対してやさしい特長があります。

  • 高い持続性

    かき殻片の場合、効果は何年も持続します。