硫化水素水を実験的に作り、これに約 1 ㎝角に粉砕して熱処理したカキ殻を添加し、硫化水素の減少から吸着量を分析した結果、カキ殻1gあたり約 12 ㎎の硫化水素を吸着することが分かった。(表1)
海や河川には高度経済成長時代に溜まった有機物が底に分解されにくい状態で溜まっています。
この難分解性有機物はいわゆるヘドロと呼ばれ、 「硫化水素」を発生させます。
硫化水素は猛毒なので、 底質は生物が棲めない環境となり、漁獲量低下の大きな原因の一つと言われています。
熱風乾燥した牡蠣殻で硫化水素を低減し、生物の生息が大きく回復することができた事例をご紹介します。
熱処理したかき殻は、海、河川、池、入り江、お堀などで発生する硫化水素を抑制し、悪臭を消し、生物の生息環境を改善します。
かき殻は、水生植物や藻類(アマモなど)の根と良く絡むので、生育が良く、藻場造成などに適します。
かき殻は、生石灰と比較して pH 上昇が緩やかであり、生物に対してやさしい特長があります。
かき殻片の場合、効果は何年も持続します。